LaTeXでポスター(a0poster編)

LaTeXで…編その2。LaTeXでA0のポスターを作る時の情報をまとめてみた。さすがTeXだけあって、適当に文章を流し込むだけでそれなりに様になるレイアウティングをしてくれる。

Installation

a0poster(CTAN) ZIP(国内ミラー) zipの中身一式をディレクトリごと %TEXROOT%\share\texmf\tex\latex にぶち込んでmktexlsr (半個人的メモ: こうして手続きが書けるということは…)

作例

A0poster使う上で参考になりそうなサイト

近くにA0プリンタがない場合の対処法

ちなみに自分は幸運にもA0プリンタが使えるとこにいたので、それを使わせてもらった。

プリントして分かった問題点、今後改良すべき点

  • 見やすいよう字は大きくするよう心がけたつもりだが、それでもアウトプットしてみると思ったより字が小さかった。
  • A0ちょうどが入るポスターケースを用意したら、実際の用紙はそれより数cmほど幅があって(全て余白)カッターで裁断する羽目になった。

ハマった点

印刷用PDFファイル作成までにはまった点をいくつか、主にPostScript絡み。

  • dvipdfm(x)でDVI -> PDF変換すると色が消える。 PostScript側で処理を任せている部分があるらしい(詳細不明)。対処法はdvips(k)等でいったんPSにした後、ps2pdfでPDFに変換する。
  • a0b, landscapeだとDVI -> PS変換の際、用紙横向きの情報が伝わらなくなる。その後PDFに変換したり、プリンタに印刷させても縦横が間違って出力されて途中で切れたものになってしまう。手っ取り早い対処法は用紙をa0bでなくa0にする(PostScript側にはA0bなる用紙サイズがない?用紙サイズはマニュアル指定しているはずだが、それは効いてないようだ)。その場合、必然的に紙面が小さくなるのでレイアウト等でいろいろ工夫が必要になる(簡単なのは外枠\begin{poster} ~ \end{poster}を外しちゃうことなど)。実際に作成する上では、PSではなくPDFにしたとき正しく表示されていれば後は何とでもなるはずなので、それを目標としておくといいかもしれない。ちなみにdvipdfmでPDFにしたときや、PSにした後でもps2epsでEPS変換後epssplitで分割したものでは特にそういうことはないのだが。
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LaTeXでプレゼン(beamer編)

最近、TeXでポスターだのプレゼンを作る機会があったので(TeXって言語的には嫌いなんだけどなぁ。圧倒的な生産性には変えられない)、とりあえず情報をまとめてみることにする。まずはプレゼン。たまに研究集会とかでTeXとおぼしき見栄えのするプレゼン作ってる人は大抵使ってると思われるbeamerクラスについて。

Installation

beamer(CTAN) からダウンロードする。 本家サイト(sourceforge)からリンクを辿るとハマる。

実行にはさらに以下の二つのパッケージが必要

以上3つのパッケージのZIPをダウンロードして、フォルダごと%TEXROOT%\share\texmf\tex\latex にぶち込む。xcolorだけstyファイルを作る必要があるのでコマンドプロンプトで当該ディレクトリに移動してlatex xcolor.ins で作成しておく。その後、mktexlsrでLaTeXに認識させる。 どうせC*AN語るんだからctanコマンド一つで全部インストール出来ればいいのに。

Debian/Ubuntuだとlatex-beamerとしてパッケージ化されているので、apt使えば依存性解決してpgf, xcolorも一緒にインストールしてくれる(ついでにmktexlsrも自動でやってくれる)。便利!

使い方

とりあえず本家サイトに載ってる簡単な例をベースにいじってみる。amsmathとかの混在はOK。慣れてきたら、パッケージ同梱のbeamerusersguide.pdf(CTAN)を参考にする。後は\section, \subsection分けを適当にするだけで何かそれっぽいものの出来上がり。素晴らしい。上記ユーザーズガイドにも書いてあることだが、比較的使いそうなのは

  • \documentclass[handout]{beamer} (ドキュメントクラスのオプションにhandout指定)で、印刷資料用にアウトプットされる(\pauseとか無視されて、最初から1ページに全て表示された状態のみが出力される)。
  • hyperrefパッケージがデフォルトで追加されるので、日本語を扱う際に出力を正しくするにはドキュメントクラスオプションにdvipdfm追加しとくとか、 \AtBeginDvi{\special{pdf:tounicode 90ms-RKSJ-UCS2}} しとくとかhyperrefパッケージ同様の対処が必要(英語だけだったらpdflatex一発で何も考えずに済むんだけど)。
  • \usetheme{Copenhagen} を指定すると(デフォルト)、sectionとsubsectionの題が画面上部に表示される。

  • \usetheme{Berlin} を指定するとsectionの題と表示ページがsubsection内のどこかを示してくれる。

\pauseは結構賢く意図を汲んでくれるが(単に以後の命令を全て無視したページを作るってわけではないらしい)、どういう処理をしてるのかはよく分からない(今度プロい人にでも聞いてみるか)。

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乙部版TeXのインストール

ここでは乙部版(pLaTeX2e for Windows Another Manual vol.1付属CDに入っているTeX環境)のインストールを行いつつ、各種環境を最新のものにする手順を載せる。

角藤版のインストールについてはあべのり君のページに自動インストーラがあるので、そちらの世話になるほうが遥かに楽。

なおこれは院生室で共同のマシンにTeX環境を入れるときの簡易マニュアル(by ISJM氏、MRT氏)を元に書いたものであり、基本的に私自身の備忘録である。

1.秀丸のインストール

エディタに秀丸を使うなら(要ライセンス)、秀まるお氏のホームページ( http://hide.maruo.co.jp/software/hidemaru.html )より秀丸最新版をダウンロードしてインストール。

2.CDからTeXをインストール

基本的にデフォルトのままで問題ない。必要ならTeXMACを選択する(後述の理由からTeXMACのインストールは考慮の余地があり)。秀丸は選択しない。フォントは300dpi,600dpiあたりを選択。

3.BaKoMaフォントの更新

akagiから修正パッチを持ってきてインストール。
BaKoMaフォント問題については以下を参照のこと

4.DVIOUTのインストール

akagiからDVIOUT最新版をダウンロード。インストール先は”c:\ptex\bin”にする。以下に詳しく書いてある

5.Ghostscript日本語版,GSViewのインストール

日本語版を入れる。英語版でも横書き日本語文章なら正しく表示してくれるかもしれないが、縦書き文章が正しく表示されない。

日本語ユーザ名を利用している場合は、適当な場所に一時ファイルの置き場所を用意し(c:\tempとか)、環境変数TEMP,TMPをその置き場所に指定しなおす。以上の作業をしておかないとインストール時にコケる。gs,gvともに2バイト文字は正しく認識できていない。ダウンロードしたファイルの置き場所に始まる、作業を行う全てのディレクトリについて2バイト文字が入らないようにする。

インストール後、GSViewのAdvanced Optionsで-dWINKANJIを追加することで縦書きが正しく表示される。

(psfragについてはよくわからないので保留)

インストール終了後はtiger.psとarticle9.psを表示させて画像、及び縦書きが正しく表示されることを確認。

6.jsclassesのインストール

奥村先生のサイト( http://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/jsclasses/ )よりjsclassesをダウンロード。マニュアルにしたがって、”c:\ptex\texmf\tex”以下に適当な名前(jsあたり)のフォルダを作成し、zipファイルを展開。

7.TeXMACの設定

秀丸を起動。ツールバーの「その他(O)」→「キー割り当て(K)」を選択。キー割り当てウィンドウの「読込み(R)」を選択する。TeXMACSが正しくインストールされていれば、texmac.keyという項目があるのでそれを選択する。(乙部本に載ってる方法)
…けど、この方法は秀丸の標準のキーバインドを激しく書き換えるので、かなり使えないという気も…。

対策法としては、マクロだけを読み込ませるようにして最低限のキーだけ登録するようにし、キーバインドは弄らせないようにする。

祝鳥を使ったほうが良いような。

8.amsartの更新

subjclassがMSC2000に対応していない場合には、amsartクラスファイルを更新する必要がある。AMS-LaTeXのページからAMS-LaTeX version 2をダウンロード、zipファイルを解凍した中にある

\tex\latex\amscls\amsart.cls

を、

C:\ptex\texmf\tex\latex\amslatex\inputs

フォルダにコピーする。(念のため該当フォルダをバックアップしておいたほうがよいかも)

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